洋銀製フルートは値段が安いから音は悪いのでしょうか?


音色の多様性と
響きの豊かさ

ムラマツフルートEXその他多数あります。


自然の恵み- 旬の食材
は、季節外れの食材よりも安く手に入り、味もよく栄養価も高いと言われます。自然の恵はほんとうに良くできています。

この事実から、安く手に入る材料が笛吹に最高のものを提供できるかもしれないという期待が膨らみます。

では、金銀よりも安価な−いわば旬の食材のように手に入る−洋銀(白銅)についての事実は何を明らかにしているでしょうか。


洋銀製フルートは値段が安いから音は悪い思われますか?
驚くかもしれませんが、それは事実ではありません。

むしろ、銀に変えたら鳴りにくくなったという人の方が圧倒的に多いのです。
銀製フルートは素材そのものが響きにくく、調整の精度を高めても洋銀ほどには響かないからです。参照

銀のフルートは表面が黒くなると、硫化銀といって本来の銀よりも硬くなるので音の伸びが良くなるといわれますが、洋銀は元々銀よりも管体が硬いので良く響くのです。


洋銀製フルートの魅力は、何と言っても世界最高のフルート奏者の一人、マルセル・モイーズ生涯、洋銀製フルートのみを使用したことからもお分かりでしょう。モイーズは銀製フルートの存在を知らなかった訳ではありません。

世界のメーカーがこぞってモイーズに銀製フルートを使用するよう持ちかけましたが、彼は銀製フルートを選びませんでした。演奏会でも練習でも、使用したのは「常に」洋銀製フルートでした。参照

モイーズは洋銀の持つ音色の多様性響きの豊かさに魅了されたのです。参照


こんな本を見つけました。
モイーズと意気投合した吉田雅夫、ニコレなども洋銀製の鳴りを好んでいるようです。


モイーズ











ランパル
初心者は洋銀製、上級者は総銀製を買うべきとの主張は正しいですか?
調整精度の
高さで選ぶ

考慮すべき三つの点!

@メーカーは洋銀製のみならず、銀製、金製のフルートも買ってもらいたいのが本音である。

A洋銀製フルートは赤字モデルなので、調整に時間をかけられません。それで鳴りに満足できないなら総銀製を買いなさい、となってしまいます。

B洋銀製フルートは鳴りがいいと言いながら、管体銀製はもっと音の輪郭がある、総銀製はいぶし銀の音色だ、金製フルートは音に艶と輝きがある、プラチナは目からウロコ-最高の音色だと、徐々に高いものを買わせようとする宣伝に洗脳されるかもしれませんね。あなたは宣伝をすぐに信じるほうですか。それとも物事を注意深く確認するタイプですか。
では、次の事実に注目してください。

冷静になって考えてみるべき−道を極めた演奏家の視点
モイーズは生涯洋銀製を使用しました。

ゴールウェイ
は材質による音色の違いを区別できないと言い、
最後に、I still like my EX. と締めくくりました。

EXとは、ムラマツの頭部管銀製、管体が洋銀製モデルのことです。
ゴールウェイの音色比較


銀や金などのフルートが遠鳴りするという伝説がありますが、日本で最も人気のある有名な奏者は、「遠鳴り」というのがあるのかどうかわからないと述べています。

遠鳴り比較実験−あなたはどのフルートが遠鳴りしていると思われますか。より強い息(お腹の支え)が必要な銀製フルートは、「遠鳴り」において抜きんでていますか。むしろルイ・ロットなどの名器の中にあって、ヤマハの洋銀製フルート(281)の健闘が目立っていますね。新品で買っても6〜7万円のモデルが、その10倍もするフルートに負けてはいないのです。
皆さんは、洋銀製と銀製ではどちらが遠鳴りしていると思われますか。

結論
・材質による鳴りの差異がほとんどないことを確認できたことでしょう。ちなみに銀製フルートを吹く奏者が満足のいく音圧を出すためにはより多くの息と腹圧が必要とされていることを忘れてはなりません。一方、洋銀製フルートは銀製フルートに比べて少しの息で豊かな音圧を出すことができるという事実も見逃せません。

・ですから、フルートという繊細な楽器は、調整精度の高さで選ぶべきことが分かります。
・洋銀製のフルートは、硬くて製作効率が悪い赤字モデルなので、調整が不十分で、それが原因で洋銀製は鳴らないと思われていますが、本物の調整をもってすれば奏者を十分喜ばせることができるのです!!!
モイーズやゴールウェイはムラマツの技術者が調整したフルートを使用したからこそ満足したのです。

そうです、新たな楽器が欲しくなったとき、ムラマツの技術をもって、調整をしてくれる工房を見つけることが大切です。製作効率が悪い洋銀製ですので、投げ売りみたいな低価格のものは用心が必要です。























お寺の鐘は遠鳴りしますね。鐘の主成分は銅で、洋銀(白銅)フルートの主成分でもあります。
お寺の鐘が銀だったら、音は届きますか。(同じように)


洋銀製と総銀製ではどちらがマイクの乗りがいいですか?
目隠しテスト
多くの方の予想に反して、スタジオミュージシャンは録音のときはマイクの乗りがいいのでヤマハの洋銀製やムラマツのEXを好んで用いるようです。人目に触れず、耳だけで判断するなら断然、洋銀製がいいというわけです。

ただ、人前ではパウエルやムラマツなどの高額なフルートを吹くというプロ奏者もいます。
狭い部屋だと洋銀製は響きすぎるので、総銀製の方が落ち着くという方がいるのも事実です。総銀製は独特の柔らかい音を好む人に最適です。総銀製の特徴として響きが穏やかですので、相当なレベルの調整でないと十分に奏者を満足させることはできません。腹圧をかけるので息継ぎも難しくなります。総銀製フルートは、惜しみなく時間をかけて調整してくれる工房でないと満足度は低いと思います。

朗報
洋銀製の響きに加えて、柔らかさと輝きのある音色の金メッキを掛けた洋銀製フルートをお勧めします。銀製頭部管に硬質金メッキを掛けたムラマツEXはお薦めです。
金メッキを掛けることによりにより、金製フルートに近い音色になります。
この点は、以下の(5)を一読すると理解できると思います。

・なお、総銀製フルートに金メッキを掛ける場合、当工房オリジナルの新素材タンポへの交換をお薦めいたします。(ムラマツのニューパッドが装着されているなら、スキン貼り替え、または、スキンの増し貼りをお薦めいたします。)

(※)金は展性に富む金属ですが、微量の添加剤によりメッキ面は硬質となります。


洋銀と銀の特長は?
硬い金属はよく響く
銀は:

展性にすぐれているためメカニズムに生じたガタは、圧延によるガタ直し(矯正)が可能です。
頭部管の接続部を爪で弾いてみましょう。銀管は、余韻もなく乾いた音が、ペン、コツと響くだけです。ですから、響かせるにはより多くの息と腹圧が必要です。音色が鈍く柔らかなので、家などの狭い場所では周りの人に落ち着いた印象を与えます。明確な輪郭をもって響かせるには調整精度の高さが求められます。それなりの修理費を惜しまなければ完璧に調整したフルートから輝かしい音色を発することが可能となります。

洋銀は:
硬いので展性が悪く、ガタ矯正には向きません。
頭部管の接続部を爪で弾いてみましょう。銀管と違って強い響きに余韻が伴うことが確認できます。この余韻が音の深みにつながり音色は輝かしくなります。ルネ・ル・ロワは「洋銀のほうが銀よりもブリラント」だとおっしゃっています。狭い空間よりステージ向きといえます。
きちっと調整されたフルートは少しの息で音を遠くに飛ばせます。(上記の2−遠鳴り参照)

調整精度が低い洋銀製フルートは、タンポの後部に隙間がある場合、鈍く柔らかい響きになります。しかし、腹圧をかけると音が割れたり、また、指にビンビン来ませんのでこれでは十分な満足感は得られません。

洋銀は磨耗しやすいと思
われがちですが、そんなことはありません。銀のほうがずっと傷に弱いです。手入れ



材質の違いは修理費に反映します。








参照

ニッケル
5 14K製フルートの鳴りに近いのは、総銀製、それとも洋銀製?

14K製フルート
金が58%
洋銀素材が42%
















モイーズが
こだわった
旬の食材とは








14K製フルートの鳴りに近いのは、結論からいうと、洋銀製フルートです。


直視すべき事実!
洋銀製フルートの素材:
銅、亜鉛、ニッケル
白銅フルートの素材:銅とニッケル

14K製フルートの素材:

金が約58%42%銅、亜鉛、銀(洋銀製フルートの構成素材)
ホワイトゴールドは、
金が約58%42%銅、亜鉛、ニッケル
・硬貨に使われる錆びにくく、打てば響く洋銀素材を42%も含むので、金製フルートは輝かしい音色に特徴があります。

銀製フルートの素材
92.5%かそれ以上が銀なので、14K製フルートとの共通素材はほとんどありません。


結論:
14K金製フルートと洋銀製フルートは同属であることがわかります。
洋銀製フルートに金メッキをかけるとこの傾向に拍車がかかります。
当方が、ほぼ新品の洋銀製フルート金メッキをかけるのは、上記のことを意図したもので極めて満足のいく鳴りをもたらすことができます。(調整が完璧ならばですが)

総銀製フルートよりも14K金製フルートの方が音色が輝かしいのと同じように、同属の洋銀製フルートも総銀製フルートよりも音色に艶があり、きらびやかです。
ルネ・ル・ロワ:『洋銀の方が銀よりブリラントである』

モイーズが少しの息でも響くこの洋銀製フルートにこだわり、貴金属製のフルートに持ち替えなかったことから大きな励みを得られるのではないでしょうか。
ですから、時宜にかなって安く手にはいる旬の食材−洋銀製フルートの鳴りを味わってみるのはいかがでしょうか。

(ただし、洋銀製のフルートで調整が十分になされたものはなかなか見つからないはずです。時間をかけて総銀製並の調整を行うことは工房として立ち行かなくなることを意味するからです。人件費的に。

自前で最先端の新素材タンポを用意できる当工房ならムラマツ並に調整したフルートを提供できます。



いずれにしても、材質の差による音色の違いはごくわずかであり、聴き手がその違いを明確に判断できるものではないことを付け加えておきます。
ただ、吹き手にとって少しの息で強い響きを出せるのはいろいろな局面で有利なので魅力的ですね。

★さて、ここまでで管体の素材について考えてきましたが、タンポ(パッド)の素材と音色に ついてはこちらをご覧ください。 → 参照

鳴りの激変を可能にする調整修理

・ニッケル、銅など硬い材質が含まれる管体は、よく響きます。
・しかし、調整が不完全ならポテンシャルを発揮できません。
・数百万円でも、全く鳴らない ホワイトゴールドがある一方、
・10万円以下でも、驚くほどよく鳴り響くフルートもあります。
・フルートは調整次第でいかようにもなるのです。

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